キーボード

ゲーミングキーボードオタクから見て「VSPO! GEAR ぶいすぽっ!ゲーミングキーボード」は結構いい製品だと思ったという話

aojimax
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筆者(しじまアオ)

気づいたらゲーミングキーボードを20個以上買い漁っていた普通のおじさん。
最近はイヤホンにもハマっている。ぶいすぽでは、めっさん、ひなーの推し。



3月20日に無事に発売日がアナウンスされ、その外観や性能が公表されたので、少し情報をまとめながらコメントしてみたい。

結論から言えば、価格を加味しても「全然アリ」だと思っている。
ラピトリやぶいすぽのデザインを抜きにしても日本語JIS配列のデザインキーボード日本語JIS配列のガスケットマウントの時点で超絶評価したい。日本語配列はキーキャップサイズが特殊で後から交換しにくいため、こういうデザインキーボードは自分で塗装して作成するしかなかった。日本語JIS配列のガスケットマウントも極めて貴重な存在だ(今のところは)

まだ写真とスペック表しかないが、この時点では個人的には神製品と言い切ってもいい。
※当然実物を触ったことがないので、発売後に評価がガタ落ちする可能性はあります

価格

27,500円(税込・送料別?)

正直安くはない。

ゲーミングキーボードの売れ筋はHyperX Alloy Origins coreやROCCAT Vulcan TKLなどの1万円前後の製品である。


ラピッドトリガーキーボードとしてもAmazonでDrunkdeerA75が18,000円で購入できるので、それと比較しても価格は高い。

しかし、実は
・日本語JIS配列
・TKL
・ラピッドトリガー搭載キーボード
という条件で比較するとむしろこのキーボードは既存製品より安い

この条件を満たしているキーボードは2024/03/20時点で
・Steelsiries Apex pro TKL 2023 ¥30,800
・Razer Huntsman V3 pro TKL ¥32,980
・東プレ REALFORCE GX1 ¥33,000
・ZENAIM ¥48,180
この4つだけだ。

さらに「ガスケットマウント」という条件を足すと、もう他には無い。コレだけだ。

https://www.yodobashi.com/product/100000001008188124/

注意事項

発送:2024年5月下旬頃

注意事項として下記の記載がある
・本商品は一度の注文で購入できる数量を制限させていただいております。
 →限定数は不明

・本商品は製造の都合上、初回製造分を超える数の注文をいただいた場合には、二次製造分での受注とさせていただきます。 二次製造分の対象となったお客様には後日メールにてご案内させていただきます。
 →二次製造分になった場合は遅れるが手に入るのはありがたい

・生産予定数を超過した場合、販売を終了とさせていただく場合がございます。
 →合計製造数がどれくらいなのかは不明

性能

重要な項目だけ抜粋して解説、詳細は下段からどうぞ

ラピッドトリガー機能 等

最近の磁気軸キーボードが備える機能はひととおり備えている

・ラピッドトリガー設定 0.1~2.5mm
・アクチュエーションポイント設定 0.1~4.0mm デフォルト2.0mm
・ダイナミックキーストローク設定
・マクロ機能設定

押下圧35~60g

→かなり初動軽めのスイッチ、使いやすくて良いと思う
 製造はAkkoなのでM1HE やMOD007と同じこのスイッチであろう

ポートレート8,000Hz

→サイトには「ポートレート」表記があるが、おそらく「ポーリングレート」の誤植。
 ラピトリ機はまだ1,000Hzが主流なので、数値上は有利。ただし実戦においてどれだけ有効な のかは不明。

ポーリングレートとは、キーボードやマウスなどのUSBデバイスがコンピュータにデータを送信する頻度を指し、単位はHz(ヘルツ)です。ポーリングレートが高いほど、デバイスはより頻繁にコンピュータへのデータを更新し、理論上はより高速な応答が可能になります。

  • 1000Hz: 1秒間に1000回のデータ更新。更新間隔は1ミリ秒。
  • 8000Hz: 1秒間に8000回のデータ更新。更新間隔は0.125ミリ秒。

高いポーリングレートは、特に高速な動作が求められる競技ゲームやプロフェッショナルな環境で有利とされます。たとえば、1000Hzと8000Hzでは、0.875ミリ秒の差が生じます。これはごくわずかな時間ですが、非常に高速な反応速度を要求される競技では差として表れる場合があります。

しかし、キーボードについては、人間のタイピング速度と感覚的な応答時間を考慮すると、マウスとは異なり、500Hzと1000Hzの違いですらほとんど体感することは難しいとされています。8000Hzのポーリングレートは理論上はさらに迅速なデータ更新を実現しますが、実際のところ、この違いを体感できるプレイヤーはごく限られるでしょう。

8000Hzといった高ポーリングレートのキーボードは技術的には優れていますが、一般的な使用状況において500Hzや1000Hzのキーボードと比べて顕著な体感差を生むとは限りません。つまり、高ポーリングレートを搭載するキーボードの購入を検討する際には、他の特徴や性能面、価格などもバランスを取りながら検討するのが賢明です。

結論

キー配列日本語配列TKL(JIS TKL)

→日本語JIS配列、これは本当にありがたい

推奨環境温度周辺温度-10℃~55℃以内

→これを明記したキーボードは珍しい
 磁気軸は環境温度の影響を受けるが、推奨温度であれば動作を保証するということだろうか

キーキャップ素材PBT
キーキャッププリントDYE-SUB(Dye Sublimation)

→普通(基本的にはABSよりもPBTの方が高級とされる)
→昇華印刷。剥げにくので安心。手触りもさらさらになる。

ガスケットマウント

→静音性に優れたガスケットマウントを採用、打鍵感も柔らかくなるので高級感を感じる人も多いはず、ガスケットマウントを採用しているラピトリキーボードはまだ少ないので、多くのライバル製品より優位な部分

Q
性能の詳細はこちらをクリック

コネクタ形状USB-A to C
→普通

Nキーロールオーバー全キー対応
→普通

接続方式USB有線接続(USB3.0対応) 本体着脱可能
※8,000Hzの動作を安定させるために、USB3.0での接続を推奨します。
→普通、USB3.0接続の推奨表記は親切

押下圧35~60g
→かなり初動軽めのスイッチ、使いやすくて良いと思う
 FUJIやOUTEMU OTM Magnetic Switch Beige Pink Switchに近い数値

対応OSWindows:7以上、MacOS:X v10.0以上、Xbox、PlayStation
→普通、CS機でもラピトリ対応を保証?

ポートレート8,000Hz
→ラピトリ機はまだ1,000Hzが主流なので、数値上は有利
 ただし実戦においてどれだけ有効なのかは不明

キー配列日本語配列TKL(JIS TKL)
→日本語JIS配列、これは本当にありがたい

推奨環境温度周辺温度-10℃~55℃以内
→これを明記したキーボードは珍しい
 磁気軸は環境温度の影響を受けるが、推奨温度であれば動作を保証するということだろう

キー数93
→普通、このサイズが一番使い勝手がよく、またボディにデザインする余白があり個性が出しやすいので好き

キーボードバックライトRGBライト ※ドライバにてカスタマイズ可能
→設定ソフトを使わないと変更できないという意味だが問題ない

キースイッチプレートアルミニウム合金
→普通

キーボードサイドライトRGBライト ※ドライバにてカスタマイズ可能
→キーボードの横も光るらしい、いいね

キーキャップ素材PBT
→普通(基本的にはABSよりもPBTの方が高級とされる)

オンボードメモリ機能対応
→電源を切っても設定を保存するよ、という意味。普通。

キーキャッププリントDYE-SUB(Dye Sublimation)
→昇華印刷。剥げにくので安心。手触りもさらさらになる。

ケーブルコイルコードケーブル
→ちょっとだけいいケーブル

キーストローク4mm
→普通

本体寸法幅約369mm×奥行き約146mm×高さ40.5mm
→普通

キータイプ磁気式スイッチ
→ラピッドトリガーキーボードは一部を除いて磁気でON/OFFの程度をコントロールしている。普通。

重量本体:約985g ※ケーブル含まず
→本体はABSプラスチックっぽい。普通。

耐久性5,000万回のキープレス
→普通

ドライバ機能ラピッドトリガー設定 0.1~2.5mm
→ほとんどのユーザーは0.1~0.5㎜で使うので不便はないだろう

アクチュエーションポイント設定 0.1~4.0mm デフォルト2.0mm
→普通

ダイナミックキーストローク設定
→1回押しただけで2つ以上のキー入力する機能。普通。

マクロ機能設定
→普通

ライトカスタマイズ設定
→普通

ホットスワップ機能なし
→弱点ではあるが、キースイッチ交換などほとんどのユーザーはしないので問題なし

コネクタ形状USB-A to CNキーロールオーバー全キー対応
接続方式USB有線接続(USB3.0対応) 本体着脱可能 ※8,000Hzの動作を安定させるために、USB3.0での接続を推奨します。押下圧35~60g
対応OSWindows:7以上、MacOS:X v10.0以上、Xbox、PlayStationポートレート8,000Hz
キー配列日本語配列TKL(JIS TKL)推奨環境温度周辺温度-10℃~55℃以内
キー数93キーボードバックライトRGBライト ※ドライバにてカスタマイズ可能
キースイッチプレートアルミニウム合金キーボードサイドライトRGBライト ※ドライバにてカスタマイズ可能
キーキャップ素材PBTオンボードメモリ機能対応
キーキャッププリントDYE-SUB(Dye Sublimation)ケーブルコイルコードケーブル
キーストローク4mm本体寸法幅約369mm×奥行き約146mm×高さ40.5mm
キータイプ磁気式スイッチ重量本体:約985g ※ケーブル含まず
耐久性5,000万回のキープレスドライバ機能ラピッドトリガー設定 0.1~2.5mm
アクチュエーションポイント設定 0.1~4.0mm デフォルト2.0mm
ダイナミックキーストローク設定
マクロ機能設定
ライトカスタマイズ設定
ホットスワップ機能なし
内容物VSPO! GEAR ゲーミングキーボード本体×1台
コイルコードケーブル×1個(2m)
交換用キーキャップ ESC×1個 スペース×1個
キーキャップ交換工具×1個
キースイッチ交換工具×1個
USBケーブルA to C
説明書×1部
アクチュエーションポイント0.1~4.0mm製品保証期間お届けから1年間
出展:https://gear.vspo.jp/

デザイン

第一弾*3/29発売開始

デザインが好きかどうか、この評価は人それぞれだ。
パターン化されたデザインではなく、個人ごとにイラスト配置やカラーパターン、キーキャップのカラー配置を細かく調整しているのは非常に交換が持てる。いい仕事してますね。

とりあえず俺はこのデザイン好きだ。特にひなーのモデルの色配置は素晴らしい。好き。なずぴの色配置もいい。好き。

デザインについてコメントをするなら、花芽姉妹・一ノ瀬うるはモデルと、それ以外でキーキャップに違いがあるのは注意すべきだろう。この3人だけ、キーキャップが「アルファベット表記・かな表記」並列になっている

このキーボードについて思ったこと ※長文です

ぶいすぽっ のキーボードについてオタク語りさせてくれ(めちゃくちゃ長文

 自分が一番驚いたのは「VSPO GEAR」というブランドの立ち上げに「キーボード」を選んだという事実である。 どう考えても「マウスパッド」が無難ではないか。
 マウスパッドならキャラごとに印刷するだけでいい。値段もせいぜい5~8千円で収まる。複数買いもしやすい。

 もしそれがやっつけ仕事に見えるのを嫌がったのなら、マウスでもいい。 デバイスの花形でもあるし、キャラクターごとの個性も色だけでなく形で出すことも可能だ。 単価も抑えやすいし、コレクションとして場所を取らないのでオタク側が数を増やしやすい。顧客が手に取る確率がぐっと上がる。

しかしキーボードは、デバイスが好きなオタクでも複数所持はかなりハードルが高い

客観的な調査結果があるわけではないが、単価が高いことや、嵩張ること、マウスのように製品ごとの特長を出しにくいことなどが理由として考えられる。

 そう考えると、今回のメインターゲットは「既にキーボード持ってるけどぶいすぽっ!好きだから2台目に買うか~!」というオタクではなく「初めて(本格的な)ゲーミングキーボードを買う」層を狙っていると考えられる。

 しかし極めて限られたターゲットだ。そのような層がキーボードに本当に3万円も払うのか他人事ながら不安になる。とはいえ公式サイトの作りこみを見るに、かなりスタッフは本気だ。内部にゲーミングキーボードの事情に相当詳しい人間がいることがうかがえる。

 今回最も評価したいのはそこだ。キーボードが「なんちゃって」ではなく「ちゃんと作りこんでいる」のである。 あえてキャラクター商品に本格的な性能を乗せるのはトレンドではあるが、単価が跳ね上がりターゲットを逃すリスクを負う。

 それでも最も売れ筋の「1万円のゲーミングキーボード」をベースとせずに「2万円のラピッドトリガーキーボード」をベースにすることを決断したスタッフがいるのだ。 その決断力は驚嘆に値する。

しかも明らかに製造コストの増加を招く「日本語JIS配列」である。世界的に標準配列である英語ANSI配列なら、設計・製造コストを抑えることはできたのにそうしなかった。 そこには「使って欲しい」という思いを強烈に感じる。

 コレクションとして飾るならANSI配列だろうがラピッドトリガーじゃなかろうが、何でもよかったはずなのだ。 だがこのプロジェクトの担当者、あるいは責任者はそれをヨシとしなかったのだろう。

どうしてもゲームで実際に使って欲しい。はじめて本格的にPCゲームを始めたユーザーにANSI配列で販売するのは不誠実だ。初心者にも使いやすく、日本のユーザーに真摯に向き合った製品にするのだ、そういう熱い思いを強烈に感じる。

 しかも、恐ろしいことに18モデルの発売を確定しているのだ。ゲーミングキーボードの展開としては前代未聞のモデル数となる。あり得ないと言ってもいいだろう。 少しでも製造業や販売業に携わったことのある人間なら、同性能モデルのカラーバリエーションを増やすことの恐ろしさは想像に難くないだろう。 だが、やってのけた。

数量限定という点がやや気がかりだが、公式サイトの作りも非常にセンスが良く、こだわったプロジェクト(ただのコレクションで終わらせたくない)だと思うし、あえて幅広く展開するのに不向きな製品でスタートしたのだから、相応の覚悟があるのだと思う。

私が感じた思い(妄想)を長々と書いたが、今回、素晴らしいと感じたポイントは以下のとおりまとめておく。

・ブランドのローンチがあえての「キーボード」
・日本語JIS配列の採用
・ラピッドトリガー搭載モデルの採択
・18モデルの展開(驚異的)
・価格設定

ABOUT ME
しじまアオ
しじまアオ
EVERBULES代表
PC・ゲーミング系ガジェット好きオタク 物欲に負けることに定評がある あまりにも買いすぎたので、少しでもお役に立てるようレビューやニュースを書き始めた
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