結城さくな ゲーミングキーボード 使用レビュー
結論
コラボ製品ながら“あの”LUMINKEY製。コラボ抜きにして本体評価の時点で性能・品質ともに文句ナシのエンドゲーム級。隅々まで重度ゲーマーであるさくたんとAMICISの“妥協しません”という姿勢がバチバチに伝わってくる。しかも、なぜか近い製品群の相場より少し安い。

結城さくな | AMICIS 人気VTuber「結城さくな」とAMICISが贈るこだわりの高性能デバイスが登場! amicis.jp
特長・ポイント
① 性能最強クラス(RT0.01mm、8000Hz)
② 日本語JIS配列、フルアルミボディ(約2kg)、ガスケットマウント
③ 高品質・高性能・良心的価格で評価が非常に高いLUMINKEY製
④ ボディのワンポイントイラストは消えないようにレーザー刻印
⑤ ボディ背面のイラスト入りウェイトは高級感のあるガラス仕上げ
⑥ 受注生産で転売・売り切れの心配ナシ(神)
レビューの前にまず言いたい。これはやりすぎではないか?(褒め言葉)
2025年5月に発売する製品として、妥協なし全部入りフルコース。相場的には3万円を大きく上回ってもおかしくないのに、価格設定にコラボ的な上乗せがない。定価28,000円(税込30,800円)でむしろ下回っている。ちょっと意味がわからない。AMICISさん、ちゃんとお給料出てますか???(余計なお世話)
RT0.01mm、ポーリングレート8000Hz、JIS配列、ガスケットマウント、フルアルミボディの80%TKL。この条件をすべて満たすゲーミングキーボードは他に無い。オンリーワン。その立ち位置にコラボデバイスがいるという事実がすごすぎる。
ちなみに自分でも簡易的に計測してみたが、ちゃんと底打ちから0.01mmで反応した(素人測定なので参考程度で)

結城さくなとのコラボとして発売されるデバイスが、JIS配列最強クラスのエンドゲーム級キーボードとして最適の選択肢になるとか、いくら本人がガチゲーマーとはいえ、ゲーミングキーボード市場に与えている影響が大きすぎではなかろうか。
性能:誇張抜きにして実質最強クラス
既にゲーミングキーボードに詳しいデバオタの皆さんは読み飛ばしていただいて構わないが「最近よく聞くラピッドトリガー?0.01mm?それなんですの?」という方向けに簡単な説明を挟ませていただきたい。
ラピッドトリガーとは
・キーの押下・離脱の反応が非常に速い
・反応ポイントはキーごとに調整可能
・ON/OFFの切り替えも簡単
⇒まさに夢のような機能で、今やゲーミングキーボードの標準装備。
じゃあ、それってどれくらい違うのかというと、もう全然違う。いまやゲーミングキーボードの標準機能になりつつあるくらい違う。この1年における市場の変化がもはや答えと言っていい。
さらに言えば、ラピッドトリガー本家のwootingというキーボードは、約0.15mmで反応するのだが、このキーボードはなんと0.01mmで反応するスペックとなっている。計測してもちゃんと最短0.01mmだった。(※実際の使用時に全て最小設定だと使いにくいこともあるので、最初は余裕をもった設定を推奨。詳細は設定例の項目を参照のこと)
数値で表現するのであれば、通常のキーボードが2mmで反応するのに対し、wootingなら0.15mm、このキーボードなら0.01mmになる。まさに桁違い。触れただけで反応するし、VALORANTで言えば敵が見えた瞬間にストッピングできる感覚だ。この機能のメリットは単純な反応速度の向上であるため、多くのアクションを伴うゲームにおいて有利となりうる。この衝撃は実際に使ってもらって体感してもらうしかない。
(余談)世の中にはさらに過激なラピトリ0.002mm!みたいな性能を謳う製品もあるのだが、そこまで行くと安定性とのトレードオフであったり、体感での違いというよりは、ベンチマークによるスペック競争が目的になりつつある気はする。少なくとも2mmと0.01mmの違いは多くのプレイヤーにとって感じ取れるが、0.01mmと0.002mmの違いを感じ取るのは難しい。
【今さら聞けない】ラピッドトリガー30秒でわかる解説 pic.twitter.com/3Ps5mGN8wf— しじま アオ – EVERBLUES (@aoshijima) March 29, 2025
キーキャップ:
1.6mmとしっかり厚みがあるPBTに、摩耗しにくい昇華印刷。印刷クオリティも高い。長く使っても剥げたりテカったりしにくい配慮がなされており、AMICISの「コラボ製品でも、ちゃんと使ってもらえなきゃ意味ないよね」という意図が反映されている。
「こういうコラボデバイスって、買って飾るのも、もちろん楽しみ方の一つです。使うことによって摩耗したりするのを恐れる気持ちは自分も同じだからよくわかる…だからこそ「ちゃんと使える性能」「耐久性」は特に気を付けています」とAMICISスタッフさんがおっしゃってました。

キーキャップのデザインは、Enterキーのクリオネ(表情がかわいい)とか、髪留めの2色ハートや絆創膏がEscと左Shiftとか、デザイン違いで2パターン用意されたスペースバーとか、こだわりのフォントとか、全部もうどんだけこだわってんねん!みたいな感じ。
一番驚いたのは、下から上にかけてピンク色がうっすらとグラデーションになっていること。そう、恐ろしいことに、なんとこのキーキャップは単純なピンクとホワイトの2色ベースでは無いのである。品質管理えぐいことにならん?気づいたときには戦慄した。


ボディ:
このキーボードの大きな特長の一つが、ピンクと対になるイメージカラーの水色に仕上げられたアルミ削り出しのボディだ。ボディ全体がCNC加工削りだしアルミニウムとなっており、なんとその重量は約2kgに達する。
この重量のおかげで、アイテムとしての重厚感・高級感が非常に高い。手に持った瞬間に「ズシッ」とくる感覚は、それだけで所有欲を満たす大きなファクターだ。もちろん、ゲームプレイ時にも重量によって安定感があるため、激しい入力をしてもずれる心配がない。(ただし、その重量ゆえに持ち運び時には十分に注意してほしい)

ボディの右端にはさくたんのデフォルメイラストがプリントされている。これも「消えないように」ということで、なんと印刷ではなく「レーザー刻印」である。AMICIS、そこまでやるか。

そして自分の最大の推しポイントが、背面の「直筆サイン&線画」が入ったガラスパネルだ。これちょっとスモーク入ってて高級感があってめちゃくちゃかわいい。たまらん。

こればかりは自分のような素人の写真では良さを伝えきれない、ぜひ、さくふぁみの皆様におかれましては、自分の眼で味わい尽くしてほしいと願ってやまない。
内部構造:
このキーボードには「ガスケットマウント」と呼ばれる構造が使用されており、スイッチを押した時の衝撃を吸収するようになっている。この構造により、キーボードの基板が宙に浮くような形になり、全体が撓むことで衝撃を吸収しやすくなる。

この構造は主に打鍵感を重視した重厚感のあるキーボードに採用される事が多く、本体ケースに直接ネジ止めするよりも、打鍵時の感触が少し柔らかくなり疲労がたまりにくくなる他、打鍵音もボトムケースへの衝突音が抑制されることで、心地よいサウンドになる効果がある。
また、「キースイッチ」と呼ばれる部品が「プレート」と呼ばれる四角い穴の空いた金属にハマっているのだが、このプレートもただの無塗装金属板ではなく、ブラックとゴールドの塗装が施されている。通常は目立たないが、さりげない高級感を醸し出している。

細かい話になるが、PCBと呼ばれる基板とキースイッチの間にPETフィルム(透明なフィルム)を挟むことで打鍵音をコントロールしているのも、LUMINKEYらしい丁寧さが光る。採用スイッチはGateron White Maxとなっている。

総括:
結城さくな×AMICIS×LUMINKEYというトリオが本気を出した、完全体“推し”デバイス。性能、デザイン、構造、ユーザー体験、すべてがトップレベル。コラボモデルでありながら市場競争力もガチで、JIS配列でここまで仕上がった製品は他にほとんどない。
推しであることを抜きにしても、キーボードとしての完成度が半端じゃない。プロユースにも耐える性能でありながら、ファンアイテムとしても所有欲を完璧に満たしてくれる。

AMICIS 公式Xアカウント:https://twitter.com/amicis_official
初心者向け推奨設定例:
ラピッドトリガー設定は基本移動キー(W・A・S・D)のみに設定し、AP0.3mm、ラピッドトリガー0.05mmくらい。
WASD以外はAP1.5mm、ラピッドトリガーOFF。

Tickレート:なし
デバウンスレベル:低
ポーリングレート:8,000Hz

(参考)




紙のクイックマニュアルが同梱されている。1は使っているPCにあわせて(ほとんどの場合Windows)、2は特に気にしなくてよい。3・4は必須ではなく、必要になったら使用するという感じ。


ケーブル、キーキャップ&スイッチプラー(キーキャップやキースイッチを外すための道具)、別デザインキーキャップ×2、予備スイッチ×1